「パソコンが急に動かなくなったんです」
「昨日まで普通に使えていたパソコンが、急に動かなくなったんです。どうしたらいいですか?」
昨日の午後、近所の方からそんな電話が入りました。こういったお問い合わせ、実はパソコン教室を運営しているとちょくちょくあります。
お話を伺うと、電源ボタンを押しても画面がまったく映らないとのこと。音もせず、反応もないということで、これは単なる設定の問題ではなさそうです。「とにかく症状を見てみないと、修理できるかどうかはわからないのですが……」とお伝えすると、「じゃあ今から持っていきます!」と、数時間後にノートパソコンを抱えて教室にいらっしゃいました。
動かないパソコン、原因はもしかして…
持ち込まれたパソコンは、もう10年以上前の機種。少し懐かしさすら感じるデザインです。早速電源を入れてみると、やはり画面は真っ黒のまま。ファンも回っておらず、BIOSすら立ち上がりません。
「これは……」と、過去に似たようなケースが脳裏をよぎります。
思い出したのは、以前遭遇した“基板のボタン電池切れ”の症状。パソコンの内部には、ごく小さなボタン電池が入っていて、それが完全に切れてしまうとBIOSすら起動しないことがあります。マザーボードの電力が失われている状態なので、普通の起動は望めません。
データだけでも取り出せませんか?
原因としてはそれっぽいのですが、あいにくその型のボタン電池は在庫がなく、すぐには交換できません。分解作業も必要になるため、今すぐには対応できないと正直にお伝えしました。
すると、「それなら、せめてデータだけでも取り出してもらえませんか? 今すぐ仕事で使わなきゃいけなくて……」と、お客様の表情に焦りがにじみます。
大切な仕事のデータが入っているとのこと。なんとか力になりたいと思い、パソコンからHDD(ハードディスク)を取り出して、外付け用のドライブケースに設置しました。そして、別のパソコンにつないでみると──無事に認識!
一安心です。中のデータも問題なく開くことができ、必要なファイルをUSBにコピーしてお渡しすることができました。
「壊れる前に」しておきたい、たった一つのこと
「本当に助かりました……!」と、深々と頭を下げられたお客様。私たちにとっては日常の一コマでも、パソコンのトラブルは利用者にとって大きな不安。とくに「データが取り出せるかどうか」は、生きた心臓のようなものです。
今回の件を通して改めて感じたのは、「パソコンはいつ壊れてもおかしくない」ということ。10年以上使っている機種であれば、突然の故障は“いつか来るもの”だと心構えしておく必要があります。
そして、いざという時に備えて「データのバックアップ」をしておくことが、やはり何よりも大切です。
バックアップって難しい?そんなときは…
「まだ動いているから大丈夫」と思っているうちは、バックアップの重要性を忘れがち。でも、もし突然起動しなくなったら? もしそれが旅行の写真だったら? お子さんの成長記録だったら? 仕事で使う資料だったら……?
ちょっとした手間を惜しまずに、定期的にデータをUSBやクラウドに保存しておくことで、万が一のときの安心につながります。
もし、「バックアップってどうやればいいの?」「私のパソコン、古いけど大丈夫かな?」という不安がある方は、ぜひ気軽にシオンパソコンスクールにご相談ください。講習やサポートを通じて、あなたのパソコン生活をそっと支えます。